Premiere Proで音声を聴きやすく|カット編集も楽になる3つの調整術

動画編集をしていると、音声が小さすぎたり、一部だけ大きすぎたりして困った経験はありませんか?
クライアント様はすべてがすべて「撮影のプロ」ではありません。雑音やノイズのひどい素材を編集することもあります。

動画編集者のプロである私達は、視聴者にとって聞きやすい音量に整えることが非常に重要です。

ここでは、私が実践しているAdobe Auditionを使った音声の事前処理方法、Premiere Proのオーディオトラックミキサーからの音量調整の方法3つをご紹介します。

Auでノイズ除去でホワイトノイズを抑える

撮影環境や収録状況によっては、「サーッ」といったホワイトノイズが混ざっていることがあります。
そのままPremiere Proで調整すると、小さい音を大きくした時にノイズまで増幅されてしまい、聞きづらくなります。

手順

  1. Adobe Auditionを開き、「ファイル」から対象の音声を読み込み
  2. 音声を全選択
  3. メニューの「テンプレート」から「ノイズ除去」を実行

これで大部分のホワイトノイズが除去できます。
処理時間は1〜2分程度。Auditionがノイズの判定をして自動でノイズを抑えてくれるので、音量調整初心者さんにも扱いやすい機能です。

Auのラウドネス一致で音量を均一化

次に音量のバラつきを均一化します。
トーク動画や外撮影では、笑い声や語尾などで急に音量が変わることがあります。これを放置すると、視聴者の耳が疲れやすくなります。

手順

  1. 「ウインドウ」から「ラウドネス一致」を選択し、ウインドウを開く
  2. パラメータを設定
    • ターゲットラウドネス:-16 LUFS
    • 許容量:0.5 LU
    • 最大トゥルーピークレベル:-6 dBTP
    • ルックアヘッドタイム:12 ms
    • リリースタイム:200 ms
  3. 音声ファイルをドラッグ&ドロップして「実行」をクリック
  4. 約1分で音量が均一化されます(1時間程度の音声でも処理は1分前後)

これで、波形の大小差が均されます。音量欽一かのメリットとして、視聴者の耳心地の良さ以外にも編集のしやすさがあります。カット編集では音の波形を見て編集することが常ですが、小さい音は波形も小さくなり、カット時に誤って必要な音を削ってしまう危険があります。

ラウドネスの一致を書けておくだけで、Premiere Proでの編集作業がスムーズになります。

Premiere Proでさらに音量を整える3つの方法

Auditionでノイズ除去とラウドネス一致をかけたら、次はPremiere Proのオーディオトラックミキサーで仕上げを行います。
ここでは、私がよく使う3つの方法をご紹介します。

Multiband Compressorで音量を上げる

オーディオトラックミキサーで「Multiband Compressor:テレビ放送」を選択すると、波形自体を変えずに音量を上げることができます。

  • メリット:波形のピークを維持しつつ音量を上げられるため、カット編集もしやすい
  • 効果:トークやポッドキャスト動画では、音声が小さい部分も自然に聞こえるようになる

クロマノイズ除去でノイズを整える

音量を上げると、微小なノイズも目立ちやすくなります。
Premiere Proの「クロマノイズ除去」を使うと、ノイズを軽く整えることが可能です。

  • ポイント:Auditionでノイズ除去済みの場合は、8%以下の軽い設定で補助的に使用
  • 効果:音声の自然さを損なわず、聞きやすさをさらに向上

ハードリミッターで最大値を制御

オーディオトラックミキサーの「ハードリミッター -3dB」を使うと、波形の最大値を制御できます。

  • メリット:音声が0dBに達してしまった場合の音割れ防止
  • 効果:編集段階で音量を均一に保つことができ、視聴者にとって快適な音声に

この3ステップをAuditionの事前処理と組み合わせることで、音声を格段に聞きやすくできます。

動画編集では、音声の聞きやすさが視聴者体験を大きく左右します。
小さすぎる音声や一部だけ大きすぎる音は、視聴者のストレスや離脱の原因にもなりかねません。

なぜオーディオトラックミキサーだけで完結させないのか

動画編集で音声の不要な無音部分をカットするとき、Premiere Proのオーディオトラックミキサーだけで音量調整をしても完結させない理由があります。

PremiereProの有料プラグインであるSilence Removerなどの自動カットツールは、音の波形の高さをもとに低い音や無音を判定してカットします。
しかし、オーディオトラックミキサーだけで音量を上げても波形自体は変わらないため、誤認カットが起こりやすくなります。

そこで、Auditionでノイズ除去とラウドネス一致をかけ、波形を均一化してから自動カットを行うことで、無音部分を正確に削除でき、作業効率も大幅にアップします。

  • 波形が均一 → 誤認カットが減る
  • ノイズが少ない → 不要な音までカットされない
  • 編集作業がスムーズになる

この小さな工夫で、自動カットの精度が格段に上がり、より聞きやすい音声編集が可能になります。

まとめ

本記事でご紹介した方法を組み合わせることで、誰でも効率よく音声を整えることが可能です。

  1. Auditionで事前処理
    • ラウドネス一致で音量を均一化
    • ノイズ除去で微小なホワイトノイズを抑制
  2. Premiere Proで仕上げ
    • Multiband Compressorで波形を変えずに音量を上げる
    • クロマノイズ除去で微細なノイズを補正
    • ハードリミッターで最大音量を制御し、音割れを防ぐ

これらを順番に行うことで、ポッドキャストやVlogの音声が自然で聴きやすく、編集もスムーズになります。

音声のクオリティが上がると、視聴者のストレスが減り、動画への没入感もアップします。
「ちょっとしたひと手間」で、あなたの動画編集がぐっとプロっぽくなるので、ぜひ今日から取り入れてみてください。

コメント